『祭り後』/朝原 凪人
 

焼け蒸したアスファルトの
ざらついた風が人を攫い
ぼくを独りとり残す

カラン カラカラ
下駄が鳴らした残響に
道に落ちた綿菓子の
わりばしに集る蟻々に
砂利で跳ね
黒く汚れた金魚の腹に

誰かの夢の食べ残し
見つけて集めて火を点けて
ぼくだけの線香花火 赤黄色
パチッと
弾けて散った夢の破片
ぼくを焦がして含み笑い


戻る   Point(2)