カーテン/小川 葉
 
カーテンが
レールをすべる速度で
ひかりは生まれ
わたしの部屋に
朝をさしこむ

レースを通過した
木漏れ日から
光をひとつ選び
手に入れることなど
できない
あやふやな瞬間が
こくこくと生まれては
消えていく

椅子にすわる
次の場面にあなたは
もういない

カーテンが
レールをすべり
速度だけを生み

わたしが
わたしであるように
時は時で
あろうとする
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