月蝕/乱太郎
 
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること

いま
全裸を隠そうとしている
この月のように

僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに

あなたは
不信で覆われていく

本当に愛されているのか



辛かったに違いない
雫にもならない涙を
きっと夜中の流れ星に乗せて

ごめんなさい

優しい思い出だったはずなのに
あなたは
黒い影に染まっていった

許して
なんて遅すぎる言い訳

いつもの輝きが閉じられて
姿を消そうとする満月
時の振り子も止まってしまう瞬間

あなたがいた

そう呟いた

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