冷やし中華終わりました。/
小川 葉
告げることもなく
終わるものの
西日に照らされる
影のかたち
騒がしく
鳴り続けた夏が
ひとびとの胸に刻まれる
記憶のかたち
あの角にはたしか
食堂があったはずだ
なぜなのかは
わからない
けれども
駐車場となった今も
冷やし中華のいい匂いが
漂っている
それは
記憶に違いなかった
戻る
編
削
Point
(6)