冷やし中華終わりました。/小川 葉
 
告げることもなく
終わるものの
西日に照らされる
影のかたち

騒がしく
鳴り続けた夏が
ひとびとの胸に刻まれる
記憶のかたち

あの角にはたしか
食堂があったはずだ

なぜなのかは
わからない
けれども

駐車場となった今も
冷やし中華のいい匂いが
漂っている
それは
記憶に違いなかった
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