円環/
白川水
記憶の上に記憶が織り重なる
何重にも柔らかに織り込まれたショートケーキのように
ふんわりとした心地の良い香りに想いを馳せながら
果てまで続く虹の橋の回廊をひたすら昇り、遠く褪せた場所まで戻っていく
今はもう無いはずの忘れ去られた時の集落まで帰っていく
絶え間ない運動
回転を続ける黒い円盤に動かない細い針
凍結した古い時間を、機械は長い間遡り続ける…
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