包まれて/
一ノ瀬凛
そこにあった
小さな温かなもの
確かにここに存在した
いつのまにか
幸せを勘違いしていて
私の目はくもりかけていた
世界が発展して
情報をくれるのはいつだって
目の前のブラウン管
単調な口調でアナウンサーが話す
戦争 政治 犯罪
すべて人事のように
見るものが大きすぎて
身近なところに目を向けるのを
いつの間にか忘れていた
それをこんな時代だからと
勝手に決め付けて
冷たいと思った世の中
光が見えた
ふと視野が開け
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