半 身/yozo
傷ついてわかる
コレがわたしだ
じんじん痛む胸元や膝小僧が
酷く具体的に
わたしの在り処を決定づける
その痛みさえ一心に舐める
あなたのツムジを見下ろす
心ここに有らずとはよく言ったもので
わたしは じんじんと痛む速度にのって
皮膚はなんて白いんだろうと
あなたのツムジの渦を
わたしでは有りえない渦の底を
無心に覗き込んでは
できかけの瘡蓋から
ジクりと涙をにじませてしまう
あなたは かまわないって はにかんで舐める
今日、少しでも晴れたら
まとわりつく湿気た色々を今度こそ
真一文字に振り払い
勢いのついでにほんの少し
歩くんだと思う
足首や鼻の奥がおどろいて
痙攣するかもしれない
あなたの動揺する顔がチラつく
わたしは
あなたが恐れているほど
わたしたちが脆くはないのを知っている
そのコトが悲しいんだか嬉しいんだか
上手く伝えられない
だから 不格好に笑ってしまうのだけど
眩しさのせいにして戯けるから
どうか 傷つかないで欲しい
ただ あなたの側でわたしは
最後までこんな具合だったことを
覚えていて欲しい
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