スーパースタァ/亜樹
 
地下鉄の広告の中で
昔の女優が微笑んでいた
オードリーになりたいの
そんな私に
貴方はモンローの方が好みだ、なんて言う

ならば、とウイスキーを買ってきて
飲めもしないのに
夜毎に舐めてみたりした
けれど、貴方の真っ白くって
少しだけくたびれたYシャツに
シャネルの残り香も
アルコールの淫美さも
まるで似合わないことに気が付いてから
ウイスキーは半分以上残ったままで
少しも減る気配をみせない

オードリーになりたいの
今でも少し思ってる
だけど貴方の隣には
コールガールも
お姫さまも
きっと似合いはしないから

スーパースタァになれないまんま
私は貴方の隣を歩く
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