弥久/路守 緒世留
当然の事だろうけど
誰が見ても太陽も月も同じで
仮に太陽が黒色に見えたとしても
月が赤色に見えたとしても
太陽と月と言う存在に変わりは無い
当然の事だろうけど
譬え王でも罪人でも
似ている血を持った者が居るのは同じで
もしその人物が死に絶えていたとしても
自らが誰かに似た血を持っている事に変わりは無い
当然の事だろうけど
誰が何をしても死の絶対は同じで
或いは金貨で地上を埋める事が出来たとしても
全人類に平伏されようとも
死の絶対に変わりは無い
地面は緑から灰色に変わり
空は青から白に変わり
宇内が平面から凹凸に変わろうとも
不変の事に変わりは訪れない
不変の事達は
わざと変化にお別れをしたのだろうか
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