深夜の揺らめき/ゆるこ
 
 
 
雨のなか
途切れた呼吸が
虫のように
ぴゅうぴゅうと
 
もれる空気音は
太陽の沈む音のようで
酸素ボンベのようで
 
どのみち消えてしまう手首に
そっとくちづけした夜は
まるでショッキングなそら
鮮やかに滲み出す
 
汗まみれで主張しても
なにも繋がらないピアノ線
研ぎ澄まされたなかで
わたしは最後の音を聞く
 
 
どこかの孤独が繋いだ夜
目を塞いで
余計を見ないでいる心が
ただ傾ける弱い耳
 
(おわりだよ、
(ゲームセットさ
 
 
僅かな隙間風
世界を彩るのか
望んだ陽炎は
死んだと、いうのに
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