少し前の恋の歌とて7首/亜樹
 
夕暮れに一緒に歩く帰り道 二人並んだ長い影見る

目の端に映る紅、桃に白。君が好きだと言った秋桜

棘刺さる胸の痛みを誰や知る ムクドリのように色には出難きに

外にいて見るともる灯の暖かさ などか劣りし繋ぐ手の熱

君おらぬ間に空けしピアスホール 戯れ弄れば赤い血滲む

山つつじ散りし花びら追いかけて手折りし君の痕を探すや

背が高い人見るたびに振り返る 君ではないと知ってはいても 
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