赤いサンダル/
やまぐちふぢ子
そこはかとなく、
北西から、遥か遠く。
足もとに見えた、紅い小さな花びら
を、
夕立が流して。
コート紙の上、並ぶ記号は、
わたしのキモチ。
天井のない空、
と
仄かな期待
を
見慣れた包装紙にくるんで、
引き出しの奥に、出しやすい
場所で。
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