虫たちの消息/yo-yo
 
ジャンプして
空の高さをめざしていた
虫たちの翅が透明になった


さみしいね
ぼくたちの夏が行ってしまうね


とうとう本も読まず
砂だらけの栞を挿んだままで
ぼくたちはまた
長距離バスに乗る


海を残して
しょっぱいキスを残して
始まったか終わったかもわからない
そのままの夏を残して
ジッパーを引く


あとはアスファルトの上で泣くだけさ


空の色に
虫たちの翅を追いながら
とり残されて




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