曲水/朱雀
 

艶めかしい光沢を乗せ

四生の吐息が綾なす短夜に

疼(ひいら)ぐ熱(ほとり)を持て余す


喟然として天を仰ぎ

自浄と自壊が引き合う跡に

時知り顔の潦(にわたずみ)


傍(かたわ)らの地を這い

生き長らえる青蜥蜴の

惜しげもない自切(じせつ)


ひくと蠢く残骸に

一瞥すら与えぬ潔さは

冷やりとした感触を首筋に残し


閻浮(えんぶ)の塵を握り締め

憮然と佇む足もとに

微かながら斡流(あつりゅう)を見る
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