言葉探偵ワタナベ-週間レコメンド・ポエトリー(1)/ワタナベ
 
べろを突き出し、忍びわらいを
しているパパ。
そのパパ像とは「わたし」にとってどんなものだろう。
ユーモラスな表現の中に見え隠れする複雑な「パパ」像
それはイコール、「わたし」にとっての「パパ」がどのようなものなのか、
うーん、と頭をひねって自然と出てきたものなのかもしれない。
「パパ」は「パパ」だけれど、「わたし」にとってはいろんな「パパ」
がいる。
「ほんとうは知っていたんだよ」むむむ、ほんとうは知っていたんだけれど
あえていわずに隠していた、ともとれる書き方、それは「わたし」が
「パパ」を「パパ」という位置にいさせてあげていたのかもしれない。
でもきっと「パパ」もそれを承知していて、両者の中に暗黙の了解のような
ものができていたのかもしれない。
でもやっぱり「パパ」はやさしくて、大きい。
だって、そんなお互いの暗黙の了解の中にあっても
照れも、一抹の寂しさも感じさせずに、おもわずつられてしまうような笑顔で
「にかっと」笑ってしまうのだから。
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