8/21/しゅう
 
四畳半の寝床に、あなたは青少年の剥製みたいに横たわっている。寝息の横で、置き忘れたペットボトルが汗をかき、エアコンは一晩中走り続けて惰性で回転していた。

四畳半のせかい
、から問いかける
つたないモールス信号みたいに

汽車にのって、バスにのって、橋をわたり、川を越えて、道を探し、床に座り、酒を飲んで、走って

四畳半から問いかける
僕らの町は平和ですか
四畳半から問いかける
やさしい歌が歌えなくて
四畳半から問いかける
コトバってなんですか
四畳半から

反響するあなたの声は
四畳半から溶け出して
鴨川に流れてから
僕の四畳半まで六年かかった

拡散する四畳半
収束する四畳半
あなたの
僕の
きみの
私の
四畳半
に、曖昧な着地点を描いていく
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