☆第五回即興詩会(夏の陣編)/ワタナベ
をかけられた、
歩きつづけるよりはむしろ
苦しむことを選んだ、
沼をひとつ見つけ
わたしたちは空のすき間から
上へとのぼってゆき
わずかな塵。
○いかいか
「空の箱」
私たちが川べりで
ゆっくりと下っていくころ
私たちの稲の家は、
多くの、実りの中で、
燃えては、陰る、
無数の瞳の群れ、
私たちの抜け落ちた湿地帯、
かの田園は程なく夏へと入る
そして、私たちの懐かしい 挨拶の香りは、
この亜熱帯の都市の下で揺れては消える
ところで、と、私が打つ、
可能な限りの濁点の数が
濁る川べりで下っては上る、
そしてまた繰り返す、
陰る
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