柔らかに硬く。/
ぴぴぷる。
誰も見えない丘の上で
声をだす
すっと、染みる
私しか居ない
きっと私しか生きてない
そう思って声を出す
芝生の緑の、その中の細胞まで届く
嗚呼きっと
私の手の届かないのは
あの空だけで
嗚呼きっと
ここから見える海には
船なんて浮かんでないのね
きっと 私しか生きてないのね
歌声
目の前の空気を
木を
あの山の向こうを
薄く青い、
あの雲まで
染みるの
淡い色彩の重なる
朝の全てを。
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