柔らかに硬く。/ぴぴぷる。
 
誰も見えない丘の上で
声をだす
すっと、染みる


私しか居ない
きっと私しか生きてない


そう思って声を出す
芝生の緑の、その中の細胞まで届く


嗚呼きっと
私の手の届かないのは
あの空だけで

嗚呼きっと
ここから見える海には
船なんて浮かんでないのね



きっと 私しか生きてないのね



歌声
目の前の空気を
木を
あの山の向こうを
薄く青い、
あの雲まで
染みるの


淡い色彩の重なる
朝の全てを。


戻る   Point(2)