痛み/池中茉莉花
 
からだとこころの 奥底で 黒い雲が うごめき
わたしは 思わず力いっぱい 虫歯たちを噛みしめる

いつのまにやら 歯はぐんらぐら 1本、2本と
抜けはじめ
わたしの顔の 形まで ぐんにゃりと 変えてゆく

そんな自分を 鏡に晒すと
僅かばかり 背が伸びた 姿が写る

痛みを知った 勲章が 
今のわたしの 生のあかし
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