天球へ/こしごえ
 
止している風鈴だから
ゆく夏の雷(いかずち)に砕け散る
亡霊の影が
ひるがえり覚醒した
星星の光
。眼(まなこ)から星が流れておちてしまうの。


雷鳴が静まるころ
絶えまない葬列に
未だ不足はありますか
さいはての大輪を手折るのかしら
空蝉が鳴くのです

墓守は、いまもしづかに微笑んでいる







※日車(ひぐるま)→ヒマワリの別称。




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