夏の恋/N.K.
 
なな正義によるのでもなく
ただ天気予報に従うならば
ただ今年からそう呼ぶことにした猛暑日とやらによって
怠惰な夏の風景が瞬時に何億という画素へと凍りつき
何百フォンもの虫の羽音が情熱的な愛のシンフォニーを奏でることになる

いったいこれはどういうことか
夏の風景は季節から解き放たれながら愛の秘蹟を叫んでいる

今年からただ天気予報に従って
こう思うこととしよう
いったい世界中は誰に恋しているというのか
まるで私があなたに一度だけの恋をしたときのように



戻る   Point(4)