代用人間への手紙/hoochie coochie man
『本当のことを言おうか?』という詩人の脅しは
常に否定形でしか語れない
代用人間とはそのようなものだ
形がある いや そうぢゃない
中身がある 必死にかき集めて 粘土いぢりをするように
必死に なにか形作る
『本当のことを言おうか?』と詩人が文句をたれると
ああ! それはぼくの形じゃない! と放棄する
そのとき ぼくの中身がぼくを放棄しているのか
それとも ぼくが必死にかたちづくった形そのものが放棄しているのか
すっかり わからなくなる
この世にすべてあるもので僕が生み出され
毎分 毎秒 更新されていくのなら
僕は 他者との交信
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