歌姫/
かのこ
最悪と最高が互いに主張し合って
あたしの心をとらえて離さなくなる
このまま何処までも行ってしまいたいと
願っていた、今も確かなことはただそれだけ
そして一枚の画が拡げられる
この夜を伝う雨の糸を縫って
立ちはだかる無の時間を泳いで
虚しいくらいにきらきらした景色を夢見た
あの腕の中で告白する
もう一度思い出して
ただ、歌姫、という言葉に
ほんとうは甚く惹かれていたこと
あれからずっと夢の中泳いで
今も確かなことはただそれだけ
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