ゼロの射程/狩心
蹲りながら、
朝が来るのを待っていた
膝が痙攣し始めて お母さんの名前を連呼する!
煙草を吸わずにはヤってられなかった
近親相姦なんてサ、
バスコ・ダ・ガマ.世界一周!
何の意味もないこの草が
辛うじておれに意味を与えようとしていた
「おれがお前に詩の宣言をする」
「だからお前は死を忘れるな!」
夏の暑い日
ベースボールの真っ只中
止まらない汗の中に
おれは一つの希望を見出していた
ア〜セの雫が
硬いアスファルトに落下するリズム
「わをん」 おれの足音と呼応している
めんどり 子犬も並走してきた 家族一丸になって
熱したおれの体を冷やす フルーツシャーベット
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