戦争と革命/円谷一
月の様子がおかしかった
意識の破片を暗唱していたのでしばらく気が付かなかったのだが
外に出ると火薬の匂いがした 子供達が国境付近で銃の撃ち合いをしているのだ
体が焼けるような匂いだ 月が森永のムーンライトのクッキーのように見えた
今は真冬 堤防まで駆け出し 川で屯する12、3才の子供に声を掛けた
極寒の中で爆弾の爆風で火照った体を冷やしている さっきまで戦争ごっこをしていたらしいのだが この子らは貧困の為に兵隊になれなかった子供達で これから隣国に乗り込んでお国と唯一教の神様の為にこの身を捧げるというのだ 慌てて彼らを静止させた そんなことをしては駄目だ 家に母さんがいるだろう
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