宇宙ツツジヶ丘/瀧田 右恭
 
宇宙のツツジの咲くあの丘で
水晶の風が吹いたら目を覚まして

この夢はここにしか咲かないから
朝焼けを待たないで羽ばたいて


君の中で
孵化していく翼


歪んだ夜の積る
群青の月明かり
手紙を受け取った
左手が細かく振れる
あふれる光からの招待状は
高鳴る心臓一つ
赤く染めゆく


宇宙のツツジの咲くあの丘で
飛べるような気がしたら顔をあげて
涙で心が濡れて飛べなくても
弱った鼓動を癒やす雨だから

君の瞳
向こうにある光

沈んでいく夕陽の
残像が道にも見える
逃げ道ばかりが目の前に現れてる
出口のありかは無い
迷路だから

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