だから判るんだ/プル式
 
お金持ちのという程でなくても
普通に生活ができて
少し裕福な家庭に育った
そんな奴らが僕は嫌いだ
いや妬ましいのか
羨ましいのか
そんな話を兄貴としていた
どうやら兄貴も
思うところがあったらしく
素直すぎるんだよね
と言って笑った
そういう奴らの絵や
言葉や音楽や
思考のつくりが羨ましいよ
そういう絵には適わないよ
そういうと
まあな、そういう場合もあるよな
といった兄貴は
いつもより少し
寂しそうだった

兄ちゃん
あの頃の僕らは
何の為に生きてたんだろうな
一本のとうもろこしを取り合って
食うために殺し合いの真似事とかさ
物を貰いに友達の家
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