夜中/唐草フウ
 
(おしえて
 
そっとめをとじるだけでは
 くらやみのうまれるまえになってしまうから

 もうすこし おかおのみえるばしょで
 やさしく すいこんでほしい

 こどもだとおもっても
 おとなだとおもっても
 つまりはにんげん
 きづいてる きづいてる


 はりさけそうなみず を
 どこにしまえばいいの


 かぎのありかは
 おとなしか知ってはだめです

 こねこをそっと
 もちあげるように
 わたしは だけない




(あいされている

手鏡が すべり落ちた
知らなかった、というより
そんなふりをして
口をぎゅっと噛みしめて揺れてた

夜中に泣く癖が幼少よりもずっと後になって出た
今よりもっと臆病で
不安なことは
明日ひとりで生きている、夢

泣きつくたび 豆球の橙 滲んで

どこにもたどらなくていい
手をつないだ
静かに 静かに

願っても見ない夜に
秘密をうちあけてしまった夜に


テカガミユレテワレタ



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