夏についてのスクラップ/水町綜助
は
じ
ま
り
は
ひと振れ
蝉の声かな
とおい町外れの
森林から
あたかも
きみとは
まったく
かかわりあいが
ないっていう
そんなふうに鳴いて
そのまま
ブロッコリ
洗いたての
カーリーヘア
少しだけ開いてる窓から
離れていくタイプの
風が橙色に吹きながれたら
くるりまるまった
髪の毛のさきで
やっぱり
しずくも
まるまってる
おちそうに
ふるえて
オレンジの
髪の毛の
さきっぽ
そんな
出来すぎた繊細さを持った
君
の居た
小高い丘の上の町
でも
君はアパートの一階で
それも端っこの部
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