もうすぐ血液になる予定/
柳瀬
、一つでも多くあると分かって
そしてそれを守るものが何もないと
知っていたからなんだよ
ハエみたいな虫の残骸は
ぼくの指をふいたティッシュに一緒にくるまれて
きみが愛する事になるかもしれなかった
何億という子供たちが捨てられているゴミ箱に
一緒に捨てられるのに
そのなかで誰かを愛する事なんて
そのなかで誰かをころす事なんて
そのなかで誰かを守る事なんて
ぷち、って簡単につぶせるくらいに
かなしい事だって、思ってはくれないの
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