虚ろ/及川三貴
 
それはもう忘れてしまった
昨日の西日 花に影の影
差し掛かる 虚ろに未だ遠い
七月の躊躇する落日
嘆きを忘れましょうと 
ひぐらし 存在しない八月
午後に喉を潤す 打ち水の跡形



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