いのち/
乱太郎
いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて
いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばしたくて
いのちは
眠ることはない
ぼくらが
夢の中で戯れている間も
じっと
出番がくること
夢見ている
僕のいのちは
うぬぼれるなよ
お前のいのちではないんだよ
呟いているのが
聞こえてくる
みんなにあたえる
いのちだって
戻る
編
削
Point
(21)