いのち/乱太郎
 
いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて

いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばしたくて

いのちは
眠ることはない
ぼくらが
夢の中で戯れている間も
じっと
出番がくること
夢見ている

僕のいのちは

うぬぼれるなよ
お前のいのちではないんだよ

呟いているのが
聞こえてくる

みんなにあたえる
いのちだって

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