君に会いたい/たけ いたけ
 

大量殺人の力を手に入れられる

一向に手に入らない円盤を
一向に忘れることが出来ない
そのまま
地べたを舐めさせられる

嗅いでいた
と意識がなくとも
腐敗に似た花の匂いが
体に蔓延していた




獣の匂いはズボンに染み付いたが
洗濯する間
つよく意識した

情けなく落ちた
領収書のあれこれも
木の葉のように厚みを増して

霊柩車に見取られながら
仕方なく昨日を引き継ぐ

あの店員の呼び込みに
応えることがいいことのようだ

町がうろうろしている

胡乱な目を交換するとも
青空に代わり映えはなかった

そしらぬ振りして
石鹸を擦りながら
臭いをかぐ
電話機の
スカートの
猫毛の
車のバンパーの
砂埃の
君の陰唇の


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