黄昏/小川 葉
 
ボケットに
愛をつめこんで
電車は走る

窓の外には
形を変えた愛が
こんなにも多く

ざぶざぶと
波に洗われ
そして
さらわれてゆく

あなたが
待っている
駅までつづく
線路のうえ

しだいに
形を変えてゆく愛を
指先で整えながら

わたしひとり
たそがれの海
眺める
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