哀しみ皇子(9)/アマル・シャタカ
た二人が、どうして罵り合うことになるのか、ぼくにはわからなかったんだ
太郎さんや花子さんは、いつも自分達の弱さを直視しているんだね、だから、それをどうやって乗り越えて、相手といられるのか、そこを考えているようにぼくは思うね
とうさんもかあさんもさ、もう、いい歳なんだから、仲良くしてよね
最後にさ、太郎さんがぼくに話してくれたことを書いて、今日の手紙は終わっておくよ、また書くからね
「昔、詩人に石川啄木って人がいてな、その人が言ったという言葉があるんだ
それをね、皇子に贈るよ・・・・・・」
『必要とはもっとも確実なる理想である』
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