手紙/石原大介
 
小洒落た器なんかに盛り付けないで
缶から剥き出しのまま、おもむろにかぶりつくのです
白い真夏の明け方などに特におすすめします
できれば
窓辺にひとり腰をもたれさせ

おっと
いやはやもうしわけない
この手の冗談をそもそも僕は
あなたから教わったのでしたね





マイペースがいちばんです、おたがいに、ね
安ワインも訴訟問題もアナルセックスもストラビンスキーも

どうかご自愛ください

それでは、またあう日まで、ごきげんよう、さようなら




石原大介

2004.5.22. 敬具



*「まぬけの詩」中川五郎訳より抜粋

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