そして、ぼくらは途方に暮れる(Mr.チャボ、SOS!)/角田寿星
入道雲がいくらでも湧いて出てくる日に
大家さんから自転車をいただく
パンクくらいなら自分で直しちゃう人だ
これでパトロールが楽になるね 大家さんは微笑んで
ぼくは感謝のことばもない
さっそく「空飛ぶシッポ(フライング・テイル)号」と名づけた
「空飛ぶシッポ号」を駆って
町はずれの一本杉を通り過ぎる
怪人ネコヤナギ男と戦闘員A氏が杉を囲んで
何やら思案げに肩を寄せている
やあ チャボさん
降りられないらしいんです
一本杉の高い枝の根元に
仔猫がつかまってにゃあにゃあ鳴いてる
チャボさん…飛べるんでしたよね?
いや飛べるといってもチャボだから地上2メー
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