極星/よつやとうじ
 
空き地の
錆びたエイチ鋼
水色狂気に
夕日が刺さる

眼科の前
露天の油膜
長居して
心恨んだ
バス停迷走時刻表

斜塔煙突の
複雑骨折
幽霊雑居ビル
友はくびれた屋上の
フェンスを越えた

ある病める星の
プラタナス
風の強い
日々が蘇る

無益と無垢の
間に立った
らしくないねと
云われたかった

昨日の苦悩のまま
哀悼は時刻を
狂わせ

とりわけなにもないところを掴んでしまう
そうでもしないと溺れてしまう
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