路について/
石川
後ろむきは高くつく
むこう側からやってきたひとがいう
広いみちを歩いている
たくさんのひとにまぎれ
ひとりのようで
たくさんのひとと
縦横無尽に歩いている
まなざしのさき
一寸の青がにじむところへ
羽がないので
波のうえを歩きながら
ときに
うしろがわへすすむ
高くついても
うしろがわへすすむことがある
そうして
みちを終えるとき
ふりかえり
あいとかではなく
すこしぐらい
ふりかえり
なにか
ゆるせるようにと
はんなり
ほんのり
ふかくのぞむ
戻る
編
削
Point
(1)