夏、もろうで/
唐草フウ
何年ぶりだったろう
母のうでの中で眠っていた
幼いころに 暑がっては
アトピーの背中で いら立つわたしを
そうっと うちわで仰いで寝かせつける
記憶が 優しかった
起きたときに
とても
夏の風は
太陽とタッグを組んで
わたしをおおきく
抱きかかえようとする
たかいたかい、ブランコ
芝生に反射した熱さ
おしりのフカフカも空に同化して
洗濯物がすこうしなびいて
パリッとしたまま
ゆうがたへ傾いた
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