夜と話す/狩心
目をゆっくりと閉じれば
何処に居ても夜と会える
すべての始まりと終わり
あなたは僕の神 僕の母
遠くには海の音 近くには大地
中心に火を 取り囲んで人々の
あらゆる儀式と叫びの姿
壁は無く 無限に続く道
そして空 生命が息づいて
風の足跡 密かに届く愛の
ちいさな喜び 膨らんだ胸と
走りたい気持ちと ちいさな光 追いかけて
ありがとう そこに居てくれて
ありがとう やわらかな空気
僕の中に入ってくる
忘れてないよ 忘れるもんか
やわらかな地球と雨の呼吸を
血の流れとその中の記憶を
遥かなる山 聳え立つ木々の 雄弁な事
それは無音の音楽
ありがとうを 守るという事
ありがとうの中に すべてがあるという事
目を開ければ そこは太陽
目を閉じていた事も忘れる
光に包まれた この世界だ
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