43P 「短歌2」より/むさこ
 

目の前の妖しき影にいぶかりしも
あげ羽蝶なり思はず和む

家毀ち空地となりて草萌ゆる
中に蒲公英艶やかに咲く

北山は吹雪と見えて霞みゐる
吾が行く川辺 陽は燦燦と

山茶花の花はブロックの塀沿いに
冬陽を浴びて色冴ゆるなり

硝子戸に雪片大きく映る夜に
焼芋屋の声響き渡りぬ
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