星が飛んでいる夏/ぽえむ君
 
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んでゆく
聞こえるのは
夏の虫の鳴き声
その声は
明日を生き抜くための歌
その歌の間を
星が飛んでゆく
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