rain/小原あき
 
きな幸せが
たくさん待っているせいだけれど


幸せのメモ帳を
見せてくれたのは
まだ、若々しい木だった

 じわりじわり、と
 かんじるみずが
 たまらなくくずぐったくて
 でも、
 むねのまんなかが
 むずむずあったかい

雨がたくさん降った日の
メモだった


じわりじわり、と
大地から
嬉しさがこみ上げてくる

きっと、
地球の裏側で
誰かが満面の笑みを
蒔いているのだろう


そこに生える
花は
天まで届いて

打ち水をした
幸せの雨になる



そんな気持ちが
繋がっている









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