夏の夜/
ぽえむ君
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから
夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
この世界を語る必要はない
ただ不規則に浮かぶ光だけが
舞いさえするだけで
夜の夏は満たされるのだから
時間は過ぎてゆくのだろう
けれども
夜の夏は時が止まる
動いているのは
やわらかい小さな光だけ
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