ヒーロー/ロカニクス
ヒーローだったことについて
話す気になった
守るものを見つけたから
ヒーローの後の仕事として
誰からも愛されないヒーローになり
どこに行くにも
無人島がつきまとった
悪は相変わらず空から落ちてきた
土に馴染むより早く
切り刻めば良かった
無人島に慣れて
紐を付けるほどになると
誰からも感情の起伏を貰わなくなった
それだけでいいと言い聞かせても
町の凸凹を普通と名付けると
心が旅立つ気がした
最後に会った悪は
無人島を抱えていた
紐を付けないのかと問うと
いつか、人が来たときのために
と答え海に向かって落ちだした
海に浮かんだ無人島二つ
そこはいつも丁度良く晴れている
これだけが吐ける真実
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