涅槃インテリゲンツィア/円谷一
 
自由に詩を書く
体が風に煽られてTシャツが風船のように膨れ上がる
飛び上がる
静止して
世界を眺め回す
笑顔になって空を見上げる
降るような星の夜空を手に握ったまま
彼方を見つめる
詩を歌うよ
この世界が梅雨の水滴の一つとなって紫陽花の葉から重力に逆らえきれず落ちる
逆さの世界がかたつむりの頭に落ちる
その瞬間僕の心が弾ける 色鮮やかに
暗闇の中を伝っていって 君の胸に落ちる
この歌の雲が青空を流れていく そこは涅槃の世界
君は涅槃の世界を支える大地だ
乳房の山脈と陰毛の森が僕の性欲を刺激する
君が手を伸ばせば 天国の回廊へ続く
そこはインテリゲンツィアと呼ばれて
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