仲間内ケミカル/カンチェルスキス
した〜」
「いえいえ、こどもが図工の時間で使う雑巾を縫ってたもので。大丈夫ですよ〜、てんぷら火災はわたしの唯一の楽しみですからね〜」
いちいち爆発音がしたとか、炎が大きくなったとか言うのは面倒くさい。とにかく、炎のフキダシが継続して呼応しまくるのだ。発言とともに部屋の窓から炎のフキダシが飛び出してくる。
「私もそうなんですよ〜」
「てんぷら火災は、今が旬ですね〜」
「なんですかね〜、てんぷら火災って火災なんだけれども、これをやってると、火災って感じでもなくなりますね〜」
「本当ですね〜」
五階の角部屋から新しい炎が噴き出した。野太いフキダシだ。
「うわっ、間違えた」
それか
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