経た時の重さ/見崎 光
 


山間の小さな村の入り口

20年という年月は
視線の高さと
肌の感覚 そして
静寂の形すらも
変えてしまった
所々に見つけていく面影
巡るコントラストは
“芯”という部分を揺さぶって
映し出す風景に
物足りなさをせがんだ

随所に変わらぬ場面を光らせて
記憶に吹く風が微笑む
暑さも汗も肌の黒さも
素朴が育んだ象徴で
競い合うことさえ
無邪気を誘った
日に日に朽ちていく村
歩んだ時の重さを
今更ながらに感じている

イツマデモ
イツイツマデモ
此処が 故郷…





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