風の言葉/
ぽえむ君
風は言葉を求めていた
無言で動き続ける自分に
自分の存在を
何かにあるいは誰かに
伝えたかった
街は重厚な壁に遮られ
跳ね返されるか
止められるかで
風の居場所はなかった
風は森へやってきた
太い幹と繁る葉に
強くぶつかった
風は中に入ることができなかった
しかし
緑が大きく揺れて
風の言葉を伝えていった
森の奥で
小鳥が返事をした
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